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AAEON PICO-TWL4:Intel N150・Core 3 N355搭載の産業向けPico-ITXボード

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AAEON PICO-TWL4:Intel N150・Core 3 N355搭載の産業向けPico-ITXボード

AAEON PICO-TWL4 Rev.Bは、Intel Processor N150(6W)またはCore 3 Processor N355(15W)を選べるPico-ITXボードです。2.5GbE+GbEのデュアルLAN構成、mSATA+SATA構成のストレージ、Phoenix端子台による+12V給電など、産業向けエッジ機器に適した設計になっています。

AAEONはPico-ITXフォームファクタの産業用ボードPICO-TWL4 Rev.Bを発表・販売しています。Intel Twin Lake世代のProcessor N150(6W)またはCore 3 Processor N355(15W)を選べる2SKU構成で、2.5GbE+GbEのデュアルLANやシリアルポート、GPIOなど産業用途向けのI/Oを100×72mmに詰め込んだボードです。 eShopでの価格はUS$247〜表示で、コンタクトフォーム経由での見積・注文も可能です。

ただし、ストレージ拡張はmSATA+SATA構成であり、NVMe中心の運用には向きません。また、eShop上で「クーラー・ヒートシンクは同梱されない」と明記されているため、放熱設計を見落とすと本番運用でトラブルの原因になり得ます。

目次

スペック

■ AAEON PICO-TWL4 Rev.B
CPUIntel Processor N150(4C・0.80GHz・6W)または Core 3 Processor N355(8C・1.90GHz・15W)
GPUIntel UHD Graphics
メモリDDR5-4800 SODIMM×1、最大16GB(Non-ECC)
ストレージSATA 6Gb/s×1、mSATA/mini PCIe×1(既定mSATA・BIOSで切替)
有線LAN2.5GbE(Intel I226)×1、1GbE(Realtek RTL8111H)×1
映像出力HDMI 1.4(4K@30Hz)×1、LVDS×1(既定)・eDP 1.4(オプション同配線)
USBUSB 3.2 Gen2×2(外部)、USB 2.0×4(内部)
拡張M.2 2230 E-Key×1、mini PCIe/mSATA×1、GPIO 4-bit、SMBus/I2C、TPM 2.0
シリアルCOM1-2:RS-232/422/485、COM3-4:RS-232
電源+12V Phoenix 2-pin(既定)、オプションでDC Jack・+9〜36Vアダプタ対応
サイズ100×72mm(Pico-ITX)、約0.08kg
OSWindows 10/11(64-bit)、Ubuntu 22.04.2(Kernel 5.19)

Intel N150・N355をPico-ITXに収め、2.5GbE+GbE・シリアル4系統・GPIO・TPM 2.0を備えた産業向けボードです。ストレージはNVMe非対応ですが、小型ゲートウェイや検査装置など「NAS/ストレージ寄りではない用途」なら十分な構成です。

特徴

SoC・CPU

PICO-TWL4 Rev.Bは、Intel Twin Lake世代のプロセッサを搭載します。SKUはIntel Processor N150(4コア・6W)とCore 3 Processor N355(8コア・15W)の2種類で、用途に応じてTDP・性能を選べるのがうれしいポイントです。

GPUはIntel UHD Graphics統合で、HDMI 1.4(4K@30Hz)のほか、産業パネル向けにLVDS(既定)またはeDP 1.4(オプション)を同配線で選択でき、最大2画面同時出力に対応しています。エッジ制御+タッチパネルHMIといった構成がイメージしやすい設計ですね。

NPU・AI性能

NPU(AI専用ブロック)は未確認です。Intel Twin Lake世代のN150・N355には、Lunar Lake世代のようなNPUは統合されていないため、オンチップでのAI推論には期待できません。

競合と比較すると、Raspberry Pi 5(Hailo-8L拡張で13 TOPS)やRadxa ROCK 5B(Rockchip RK3588・6 TOPS NPU内蔵)などはエッジAI用途で優位性があります。一方、PICO-TWL4の強みはx86互換性・産業I/O・Windows対応であり、AI推論が主目的ならHailo-8やGoogle Coral M.2などの外付けアクセラレータを追加する構成が現実的です。

電源と放熱

PICO-TWL4 ポート面
参考:AAEON 公式製品ページ

電源入力は+12VのPhoenix 2-pin端子台が標準です。産業現場の配電ラインから直接引き込みやすく、「抜けにくい」構造がメリットになります。一方、極性を間違えると一発で壊れる可能性があるため、配線作業はラベル・手順書で管理しておくのが無難です。

オプションでLockable DC Jackや、電源アダプタカードによる+9〜36V拡張も用意されているため、車載や振動環境への組み込みにも対応できます。

放熱については、基板上に4-pin Smart Fanヘッダがありますが、eShop上で「クーラー・ヒートシンクは同梱されない」と明記されています。N150の6W TDPなら筐体放熱でも回せる可能性がありますが、N355の15W TDPを常用するなら別途ヒートシンクやファンを手配すべきです。

ストレージと拡張

ストレージはSATA 6Gb/s×1と、mSATA/mini PCIeスロット×1の構成です。mSATA/mini PCIeはBIOS設定で切り替える方式で、デフォルトはmSATAになっています。

M.2は2230 E-Key×1で、Wi-FiやBluetoothモジュール用のスロットです。ただし、公式プレスリリースには「M.2 2280 E-Key」という記載もあり、サイズ表記に齟齬があります。購入前にデータシートの図面で実装サイズを確認しておくことをおすすめします。

PCIeは「x1」構成がブロック図で読み取れますが、世代(Gen3/Gen4)は未確認です。NVMe SSDの高速転送を期待する構成ではないため、ストレージ性能重視なら別のボードを検討すべきです。

ネットワーク

PICO-TWL4 基板下面
参考:AAEON 公式製品ページ

LANは2.5GbE(Intel I226)と1GbE(Realtek RTL8111H)のデュアル構成です。小型ルータ・ゲートウェイ的な使い方や、「管理LAN+データLAN」を分離したい産業用途で刺さる構成ですね。

シリアルはCOM1-2がRS-232/422/485対応、COM3-4がRS-232対応で、計4系統が使えます。工場の既存装置との接続や、レガシーな計測機器との通信を想定している場合に便利です。

外観

PICO-TWL4 Rev.Bは100×72mmのPico-ITXフォームファクタで、主要I/Oが一辺に集約された設計になっています。

ポート面には左から+12V端子台、USB 3.2 Gen2×2、RJ-45×2(2.5GbE+GbE)、HDMI 1.4が並んでおり、配線の取り回しがシンプルにまとまります。

基板下面側にプロセッサパッケージとSODIMMスロットが実装されているため、筐体設計では「下面への放熱経路」と「メモリ挿抜スペース」を確保する必要があります。裏面にSoCがある構成は産業SBCでは珍しくありませんが、ケース選定時に見落としやすいポイントです。

その他

GPIOは「4-bit GPIO」まで公式データシートで確認できます。ただし、ピン配置や電圧レベル(3.3V/5V等)は未確認です。GPIO制御が主目的なら、マニュアルで回路情報を確認してから進めた方が安全です。

OSはWindows 10/11(64-bit)とUbuntu 22.04.2(Kernel 5.19)がサポートされています。BIOS/Driver/Manualは公式ダウンロードページから入手可能ですが、OSイメージの公式配布は未確認です。

同梱物については、データシートにケーブル類の部品表がありますが「同梱」と断定する記述がないため、購入時に確認した方がよいでしょう。

まとめ

PICO-TWL4 Rev.Bは、Pico-ITX(100×72mm)でIntel N150・N355のSKU選択ができ、2.5GbE+GbEデュアルLAN、シリアル4系統、GPIO、TPM 2.0といった産業向けI/Oを詰め込んだボードです。

小型の産業ゲートウェイ・検査装置・エッジ制御端末を組み立てたい人には、+12V端子台入力とデュアルLANが現場配線と相性がよく、既存の産業パネル(LVDS/eDP)を流用する用途にも刺さる一台です。

一方で、NVMe前提のストレージ構成を期待している人や、ヒートシンク同梱を前提にしている人には不向きです。放熱設計を甘く見ると本番運用でトラブルの原因になるため、『熱設計も自分で詰める前提』で検討すべきボードと言えるでしょう。

販売元SKU価格(税別・参考)
AAEON eShopN150搭載モデルUS$247〜
AAEON eShopN355搭載モデル要問合せ

※価格は2025年7月時点の参考価格です。最新価格はAAEON eShopでご確認ください。

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