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ADLINK SBC35-ALN:Intel N97搭載の3.5インチSBC

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ADLINK SBC35-ALN:Intel N97搭載の3.5インチSBC

ADLINKは3.5インチSBC「SBC35-ALN」をSBC35シリーズのラインアップとして展開しています。Intel Processor N97(12W)を軸に、DDR5 SO-DIMMとNVMe(M.2 M-Key)、デュアル1GbE(Intel i210IT)を備えた、産業エッジ向けの堅実な一枚です。一方でメモリ上限の表記差や拡張スロットの前提条件など、導入前に詰めたいポイントもあります。

ADLINKは3.5インチSBC「SBC35-ALN」をSBC35シリーズのラインアップとして展開しています。シリーズ発表は2024年8月で、公式ページに製品情報・資料が掲載されています。

本機はIntel Processor N97(12W)を軸に、DDR5 SO-DIMMとNVMe(M.2 M-Key)、デュアル1GbE(Intel i210IT)といった産業エッジ向けの定番要素を堅実に押さえたSBCです。x86互換でWindows/Linux両対応なので、既存資産を活かした産業用途に刺さる一枚ですね。

一方で「専用NPU搭載」を断定できる一次情報は見当たらず、購入も基本は見積依頼・販売店経由の導線になります。導入時は、メモリ上限の表記差(16GB/32GB)や拡張スロットの前提条件を先に詰めておくのが安全です。

目次

スペック

■ ADLINK SBC35-ALN
CPUIntel Processor N97(4コア、最大3.6GHz、12W)
GPUIntel UHD Graphics(CPU内蔵)
メモリDDR5 SO-DIMM 1スロット(最大16GB・4800MHz。製品ページは最大32GB表記あり)
ストレージM.2 M-Key 2280(NVMe、PCIe Gen3 x2)+SATA 6Gb/s(5V SATA電源付き)
有線LAN1GbE 2基(Intel i210IT)
映像出力HDMI+DisplayPort+eDP/LVDS(eDP/LVDSはBOMで切替、デフォルトLVDS表記あり)
USBUSB 3.2 Gen2 1ポート+USB 2.0 3ポート(ヘッダ定義もあり)
拡張M.2 Key M/E/B、SBC-FM(PCIe・USB2.0・LPCなど)、DI/DO(8DI+8DO)
電源12〜24V DC入力(DCジャックはオプション表記あり)
冷却パッシブヒートシンク(別売)+5Vファン端子、動作温度0〜60℃
OSWindows 10/11(64-bit)、Ubuntu 22.04(Support by project表記)
サイズ146×102mm(3.5インチSBC)
付属品SBC35-ALNマザーボード、M.2スクリューキット(標準)

Intel N97+DDR5 SO-DIMM+NVMe(M.2 M-Key)+デュアルi210 1GbEを、146×102mmの3.5インチ基板にまとめた産業エッジ向けSBCです。 ただし、メモリ上限の表記差(16GB/32GB)や、拡張スロットの「できる・できない」を読み違えると手戻りが出やすいので、設計初期に確認しておきたいところです。

特徴

CPU・GPU(12Wクラスのx86エッジ)

SBC35-ALNの中核はIntel Processor N97です。Alder Lake-Nアーキテクチャの4コア・最大3.6GHzでTDPは12Wのレンジなので、産業向けの小型PCやゲートウェイ用途で「筐体に入れて回す」前提が立てやすい設計です。

N97はIntel N100の上位モデルで、ベースクロックが0.8GHz→1.0GHz、ブーストが3.4GHz→3.6GHzと若干高め。消費電力も6W→12Wに上がっていますが、その分パフォーマンスに余裕があります。Raspberry Pi 5と比べると、シングルスレッド性能で2倍以上、x86互換という点で選択肢が広いですね。

GPUはCPU内蔵のIntel UHD Graphicsで、映像出力はHDMIとDisplayPortに加え、eDP/LVDS(BOMで切替)の表記があります。マルチ画面が必要な監視・制御用途や、KIOSK系の組み込みでも扱いやすい構成です。

AI用途(専用NPU非搭載、外付け前提で割り切る)

SBC35-ALNについて、専用NPU搭載を明記した一次情報は確認できませんでした。Windows向けの配布物にGNAドライバー項目があるものの、ボードとして「AIアクセラレータが載っている」と断定できる根拠にはなりにくい印象です。

ここ、誤解しやすいところなんですよね。エッジAI推論が主目的なら、NVIDIA Jetson Orin Nano(40 TOPS、249〜)やRockchipRK3588搭載ボード6TOPSNPU249〜)や**Rockchip RK3588搭載ボード**(6 TOPS NPU、100〜200帯)のほうが、AI性能あたりのコスパは圧倒的に有利です。Intel系でAIを重視するなら、Meteor Lake世代のNPU搭載CPU(Intel Core Ultra)を待つか、USB接続のHailo-8やIntel Neural Compute Stick 2を外付けする選択肢もあります。

逆に、既存のWindowsアプリ資産やx86 Linux前提で、推論はiGPUや外付けアクセラレータに寄せるなら、SBC35-ALNのような「x86の堅実な土台」が効いてきます。AIは外付け、基盤は安定のx86と割り切れるなら、この構成は悪くないですね。

メモリとストレージ(NVMe+SATAの二段構え)

メモリはDDR5 SO-DIMMです。産業機器だとオンボードメモリが多い中、SO-DIMMは調達やリペアの融通が利きやすいのがうれしいポイントです。

一方で、最大容量がデータシート・マニュアルは16GB、製品ページは32GBの表記差があります。量産前提なら、採用するメモリ型番と合わせて販売店・担当に確認するのが安全です。

ストレージはM.2 M-KeyのNVMe(PCIe Gen3 x2)とSATA 6Gb/sを併用できます。OSとアプリはNVMe、ログやデータ退避はSATA側に寄せるなど、素直に二段構えにしやすい構成です。

さらにUEFI BIOS側でPXE/HTTPなどネットワークブート関連の設定項目があるため、キッティングや復旧手段を「USB+ネットワーク」で二段構えにしやすい点も、産業SBCらしいポイントです(実運用の可否はネットワーク要件に依存します)。

拡張(M.2 3スロットとSBC-FMの前提条件)

M.2はKey M/E/Bの3スロット構成です。

  • Key M: NVMe向け(PCIe Gen3 x2)
  • Key E: Wi-Fi(PCIe Gen3 x1)+Bluetooth(USB 2.0)の想定
  • Key B: USB 3.0/2.0のみでPCIe非対応、SIMカードも絡む構成

Key BはUSB専用という点が落とし穴です。「B-KeyならPCIeで何か挿せるはず」と思い込むとハマるので、セルラーやUSBデバイス向けと割り切るのが安全ですね。

加えてSBC-FMコネクタで、PCIe・USB 2.0・SMBus・LPCなどを含む拡張経路が用意されています。ただしコネクタ定義には「PCIe4 x4(ALN not supported)」の明記があるため、SBC35-ALNでその想定は使えない前提で設計する必要があります。

DI/DO(8DI+8DO)も含めて、GPIO互換というより「現場で使うI/Oを堅実に出す」方向の設計です。

ネットワーク・I/O(デュアルi210 1GbEが素直に効く)

LANはIntel i210ITを2基のデュアル1GbEです。上位ネットワークと現場ネットワークの分離、ソフトウェアルータ・ゲートウェイ、あるいは収集系と転送系を分けた小型エッジといった構成が描きやすく、ここは素直に強いところです。 I/O面にはDC入力、USB、DisplayPort、デュアルLAN、シリアル(COM1)、電源ボタン、HDMIがまとまっています。産業機器で「現場に欲しい並び」が一枚に収まっているのは、地味に効いてきます。

電源・熱(筐体前提で詰めたい)

電源入力は12〜24V DCで、過電流保護(8A)などの記述があります。DC入力が「DCジャック(オプション)」表記になっているため、筐体側ハーネスを設計する場合は、購入時にコネクタ種別(DCジャックか、別形状のDC入力コネクタか)をBOMとセットで詰めておくのが安全です。 冷却は別売のパッシブヒートシンクが用意され、5Vファン端子の項目もあります。0〜60℃の動作温度表記もあるため、ファンレス前提で攻める場合でも、まずはメーカー想定の放熱構成を起点に設計するのが無難です。

外観

TOP(基板上面)

SBC35-ALN(基板上面)
参考:ADLINK 公式製品ページ

基板上面にはDDR5 SO-DIMM、M.2スロット群、SBC-FMコネクタなど、拡張の要になる部品が集約されています。 M.2がKey M/E/Bの3系統で用途がはっきり分かれているので、最初に「NVMe」「無線」「セルラー・USBデバイス」の割り当てを決めておくと、配線や筐体設計が破綻しにくいです。

BOTTOM(基板下面)

基板下面の公式写真は確認できませんでした。機構設計(取付穴、厚み方向、ヒートシンク・ヒートスプレッダ)を詰める段階では、ユーザーマニュアルのMechanical Dimensions図を前提に進めるのが現実的です。

PORTS(ポート面)

SBC35-ALN(ポート面)
参考:ADLINK 公式製品ページ

DC入力、USB、DisplayPort、デュアルLAN、シリアル(COM1)、電源ボタン、HDMIがまとまったI/O面です。一般的なSBCより「現場で使うI/O」に寄せた並びで、据え置きの産業エッジに向いた顔つきです。

まとめ

SBC35-ALNは、12W級のIntel N97を軸に、DDR5 SO-DIMMとNVMe、デュアル1GbEを堅実にまとめた3.5インチSBCです。Windows 10/11やUbuntu 22.04の表記もあり、既存のx86資産を活かした産業エッジ・ゲートウェイの土台として選びやすい一枚だと思います。

一方で、メモリ上限の表記差(16GB/32GB)や、M.2 B-KeyがUSB専用である点、SBC-FMの「PCIe4 x4はALN非対応」といった前提条件は、設計初期に読み違えないよう注意が必要です。購入導線も見積依頼・販売店経由が中心なので、要件とBOMを固めてから相談するのがスムーズですね。

おすすめの用途: 工場ゲートウェイ、監視・制御端末、KIOSK、x86 Linux/Windowsベースのエッジサーバー

販売元価格(税込参考)備考
ADLINK(見積依頼)要見積もり公式直販
Where to Buy(販売店経由)販売店・構成により国内代理店あり
Ask an Expert(問い合わせ)要問い合わせ技術相談対応

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