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Radxa Dragon Q6A:QCS6490搭載の産業向けSBC

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Radxa Dragon Q6A:QCS6490搭載の産業向けSBC

Radxa Dragon Q6Aは、Qualcomm QCS6490(最大12 TOPS)を中核に、Wi-Fi 6・Bluetooth 5.4、MIPI CSI 3系統、M.2 2230 NVMeを85×56mmに集約した産業向けSBC。カメラ+表示+無線を1枚で完結させたいエッジAI用途に刺さる構成です。

Radxa Dragon Q6Aは、Qualcomm QCS6490を中核に据えた産業向けSBCです。Wi-Fi 6・Bluetooth 5.4、MIPI CSI 3系統、M.2 2230 NVMeなどを85×56mm(Raspberry Piと同サイズ)にまとめています。

「カメラ入力と表示を同時に扱う端末を、配線と部品点数を抑えて作りたい」というニーズに刺さる構成ですね。12V給電前提なので、産業機器への組み込みを最初から想定しているのがわかります。

ただし、AIの実効性能や冷却要件はOS・SDK構成に依存するため、導入前に公式Docsで動作検証の段取りを確認しておくのが安全です。

目次

スペック

■ Radxa Dragon Q6A
CPUQualcomm QCS6490(Kryo Prime 2.7GHz×1+Gold 2.4GHz×3+Silver 1.9GHz×4)
GPUAdreno 643
AIアクセラレータHexagon DSP(HVX)+Hexagon Tensor Accelerator(最大12 TOPS)
VPU4K@60デコード(H.264/H.265/VP9)、4K@30エンコード(H.264/H.265)
メモリLPDDR5 5500MT/s、4/6/8/12/16GB選択
ストレージmicroSD、eMMC・UFSモジュール(16〜512GB)、M.2 2230 NVMe(PCIe Gen3×2)
ブートオンボード QSPI NOR Flash(32MB)、microSD/USB/eMMC/UFS/NVMe起動対応
無線LAN・BTWi-Fi 6(802.11ax)、Bluetooth 5.4(BLE)、外部アンテナ×2
有線LAN1GbE(PoEはPoE HAT必要)
映像出力HDMI(最大4Kp30)、MIPI DSI 4-lane×1
カメラ入力MIPI CSI 3系統(4-lane×1、2-lane×2)
オーディオ3.5mm 4極(ヘッドホン・マイク)
USBUSB 3.1 Type-A×1(HOST/OTG)、USB 2.0 Type-A×3
拡張M.2 M Key、40-pin GPIO、ファン端子(2-pin 1.25mm)
サイズ85×56mm
電源12V入力(USB-Cまたは外部12V)、推奨18W〜、フル負荷時24W以上
対応OSRadxa OS(システムイメージ配布あり)
付属品未確認

Raspberry Piサイズ(85×56mm)にQCS6490+Wi-Fi 6+MIPI CSI 3系統+M.2 NVMeを詰め込んだ、エッジAI向けの"全部入り"構成。 12V給電前提なので5Vアダプタ流用は不可、冷却周りの情報は購入前に要確認です。

特徴

SoC・CPU(QCS6490の正体)

Dragon Q6Aの心臓部はQualcomm QCS6490。スマートフォン向けSnapdragon 778G系と同世代のアーキテクチャで、産業・IoT向けに長期供給を保証したチップです。

コア構成はKryo Prime(2.7GHz)×1、Kryo Gold(2.4GHz)×3、Kryo Silver(1.9GHz)×4の8コア。Raspberry Pi 5のCortex-A76×4よりコア数で勝りますが、シングルスレッド性能は同程度という位置づけですね。

「制御処理やネットワーク、入出力のハンドリングをCPUで回しつつ、AI・映像処理は専用ブロック(Hexagon)に任せる」という分業設計が、このSoCの持ち味です。汎用的なLinuxアプリを動かすというより、エッジ端末として特定用途に最適化する使い方に向いています。

QCS6490は「Snapdragon 778G Plus」の産業版と捉えるとわかりやすいです。スマホ向けは製品サイクルが短いですが、QCS系は5〜10年の長期供給がアナウンスされるのが通例なんですよね。量産を見据えるなら、この辺の差は効いてきます。

AI性能(Hexagon DSP+Tensor Accelerator)

AIまわりはHexagon DSP(HVX)とHexagon Tensor Acceleratorの組み合わせで、最大12 TOPS(INT8) と公式Docsに記載されています。

ただ、TOPSは演算精度やモデル構造、SDKのバージョンで実効値が変わるので、「カタログ値」と「実測値」にギャップが出るのはよくある話です。自分の用途で動くかを起点に検証するのが安全ですね。

競合比較:

ボードAI性能備考
Radxa Dragon Q6A12 TOPSHexagon DSP+Tensor Accelerator
Raspberry Pi 5+Hailo-8L13 TOPS外付けアクセラレータ
NVIDIA Jetson Orin Nano20〜40 TOPS価格帯が上
Orange Pi AIpro(Ascend 310B)8 TOPSHuawei系SDK

Raspberry Pi 5にHailo-8Lを足す構成や、Jetson Orin Nanoを選ぶ手もあります。ただし本機は**「カメラ入力・表示・無線・ストレージ拡張までボード1枚で完結」** している点が差別化ポイント。配線と部品点数を抑えて試作に入れるのがうれしいところです。

メモリとストレージ

メモリはLPDDR5(5500MT/s)で、容量は4〜16GBから選択。オンボード実装のため後から増設はできません。常駐サービスの数、ログ量、画像バッファなど用途に合わせて余裕を見て選ぶのが無難ですね。8GB以上がおすすめです。

ストレージはmicroSDに加え、eMMC・UFSモジュール、M.2 2230 NVMeまで選べます。評価はmicroSDで始めて、量産や堅牢性重視ならeMMC・UFS、読み書き頻度やログを重視するならNVMe、と段階的に組み替えやすいのはうれしいポイントです。

M.2はM Keyで「2230 NVMe(PCIe Gen3×2)」と明記されているため、SATA系M.2を前提にすると動きません。ここは最初からNVMe前提で設計しておいてください。

カメラ・映像入出力

MIPI CSIは合計3系統(4-lane×1、2-lane×2)で、MIPI DSI(4-lane)とHDMI(最大4Kp30)も備えます。カメラ入力と表示を同時に扱う端末を作るなら、この「入出力が一通り揃っている」構成はかなり助かります。

一方で、センサー互換やFPC形状、ドライバ対応はSoCの能力だけでは決まりません。採用したいカメラ・パネルが決まっている場合は、対応リストや導入手順を先に確認するのがおすすめです。

ネットワーク・拡張

無線はWi-Fi 6(802.11ax)とBluetooth 5.4で、外部アンテナコネクタが2基。有線は1GbE(PoEはPoE HAT必要)です。現場設置を想定するなら、電源方式(12V直接 or PoE)を早い段階で決めておくと設計がスムーズですね。

GPIOは40-pinヘッダで、UART・I2C・SPI・PWMなどに対応。電圧は3.3V系(許容3.63V)とされており、UARTデバッグ時にUSB-UARTのVCC線を接続しないよう注意があります。ここ、地味に事故りやすいので最初に押さえておいてください。

OS・導入(SPIブートFWに注意)

公式DocsではRadxa OSのシステムイメージが提供されており、microSD/USB/eMMC/NVMe向けとUFS向けでイメージが分かれています。

2025年10月以前に購入した場合は、最新のSPIブートFW書き込みが必要と公式Docsに明記されています。購入時期によっては初期セットアップの計画に入れておいてください。

FW更新により、既定のブートデバイス順序(USB → SD → NVMe → eMMC → UFS)が追加されるなど、ブート周りの挙動が変わる点も押さえておきたいところです。

電源・熱設計

電源入力は12Vが前提で、USB-C(12V入力)または外部12Vから給電する設計です。5V給電は非対応なので、Raspberry Pi用の電源アダプタは流用できません。

  • 軽負荷時:18W(12V/1.5A)以上
  • フル負荷時:24W(12V/2A)以上推奨

ファン端子(2-pin 1.25mm)は用意されていますが、推奨ヒートシンク・推奨ファン構成や温度条件などの詳細は未確認です。筐体に組む場合は、2D寸法図PDFとあわせてクリアランスと放熱経路を先に検討し、用途が決まっているなら早めに実測で当たりを付けるのがおすすめです。

外観

Radxa Dragon Q6A 3ビュー(Front・Side・Back)
参考:Radxa Docs(Product Appearance)

同一画像内にFront・Side・Backの3ビューがまとまっており、端子面や基板下面の雰囲気がまとめて確認できます。細部の断定は避けつつ、端子配置や取り付けイメージを掴む用途に便利です。

Radxa Dragon Q6A インターフェース図(番号付き)
参考:Radxa Docs(Interface Description)

インターフェース図では、M.2、CSI・DSI、USB、LAN、電源入力などの位置関係が番号付きで示されています。ケース設計や配線計画をするなら、寸法図PDFとあわせて併読するのが確実です。

まとめ

Radxa Dragon Q6Aは、Qualcomm QCS6490(最大12 TOPS)を中核に、Wi-Fi 6・Bluetooth 5.4・1GbE、MIPI CSI 3系統、DSI・HDMI、M.2 2230 NVMeまでを85×56mmにまとめた産業向けSBCです。カメラ入力と表示を同時に扱う「エッジAI端末」を、配線と部品点数を抑えて作りたい人に刺さる構成ですね。

12V給電前提で筐体や周辺回路も含めて設計できる人や、公式Docsの導入手順に沿って検証を進められる開発者には強力な選択肢です。カメラ+表示+無線を1枚で完結させたいニーズには特に刺さりますね。

逆に、5V給電でRaspberry Pi互換の使い方をしたい人や、冷却や同梱物などの詳細情報が揃ってから購入判断したい人にはハードルが高いかもしれません。

価格(参考)

販売元構成価格(税別)
Radxa Approved Partners4GB RAM約$99〜
Radxa Approved Partners8GB RAM約$129〜
Radxa Approved Partners16GB RAM約$159〜

※価格は販売店・地域・為替により変動します。購入は直販ではなくApproved Partners経由が基本です。

関連リンク

公式

購入・販売店

参考(SoC・競合)

最終確認日:2025年12月29日(JST)