コンテンツへスキップ
すぺっくぷる

Radxa ROCK 5C Lite:RK3582搭載の軽量版SBC(GPU表記に注意)

Published on
Radxa ROCK 5C Lite:RK3582搭載の軽量版SBC(GPU表記に注意)

Radxaはコストを抑えたシングルボードコンピュータ「ROCK 5C Lite」を発売しました。ROCK 5CのSoCをRK3582(A76×2+A55×4)に変更した派生モデルで、メモリは最大16GB、Wi-Fi 6やBluetooth 5.4を内蔵しています。ただし公式DocsでGPU欄が「N/A」と記載されており、映像処理が必要な用途では購入前の確認が必要です。

「ROCK 5Cは魅力的だけど、もう少し安くならないかな」と思ったことはありませんか? Radxaはそんな声に応えるかのように、ROCK 5C Liteをリリースしました。SoCをRK3582に変更することで、コストを抑えた軽量版として登場しています。

本製品はROCK 5Cの派生モデルで、Cortex-A76コアが4基→2基に削減されたRK3582を搭載しています。一方で、5 TOPsのNPUは維持されており、エッジAI用途には十分な性能を持っているんですよね。メモリは最大16GB、Wi-Fi 6・Bluetooth 5.4を内蔵し、基板サイズや拡張インターフェースはROCK 5Cと共通です。

ただし、公式DocsでGPU欄が「N/A」と記載されている点は要注意。デスクトップ用途や映像処理を考えている方は、購入前に動作報告を確認することをおすすめします。

目次

スペック

■ Radxa ROCK 5C Lite
CPURockchip RK3582:A76×2(最大2.4GHz)+A55×4(最大1.8GHz)
GPU公式Docsで「N/A」表記(要確認)
NPU5 TOPS(INT4/INT8/INT16/FP16/BF16/TF32対応)
メモリ1・2・4・8・16GB LPDDR4x(64-bit)
ストレージeMMCコネクタ+microSDスロット(SPI Flashなし)
無線LAN・BTWi-Fi 6(802.11ax)+Bluetooth 5.4(外部アンテナ端子)
有線LANGigabit Ethernet(PoEはHAT拡張が必要)
映像出力HDMI 2.1(最大8K)+MIPI DSI(最大2K)
カメラMIPI CSI 4-lane 1ポート
拡張40ピンGPIOヘッダ・FPC PCIe 2.1 x1
電源USB-C 5V 3AまたはPoE(HAT)
サイズ86×56mm

約30ドルから買えるRK3582搭載SBCで、コスパ重視のプロジェクトに刺さる一台です。A76コアは2基に減っていますが、5 TOPsのNPUを備えており、エッジAI用途なら十分戦えます。

特徴

SoC・CPU・GPU(重要な注意点あり)

ROCK 5C LiteのSoCはRockchip RK3582です。これは上位のRK3588から派生したチップで、Cortex-A76×2とCortex-A55×4のbig.LITTLE構成となっています。A76コアは最大2.4GHz、A55コアは最大1.8GHzで動作しますね。

RK3582の正体について少し掘り下げると、RK3588ファミリーの中でも「軽量版」として位置づけられるSoCです。無印ROCK 5C(RK3588S2)がA76×4なのに対し、LiteはA76×2構成。マルチスレッド性能では差が出る場面がありますが、シングルスレッド動作や省電力を優先するなら十分なケースも多いんですよね。

重要な注意点として、公式DocsではGPU欄が「N/A」と記載されています。この意味(GPUなし・機能制限・記載省略など)は公式で明確に説明されていないため、映像出力・デスクトップUI描画・動画デコードなどを重視する用途では購入前に追加確認が必要です。HDMI 2.1端子自体は基板にあるため、映像出力が完全に不可というわけではなさそうですが、断定は避けます。

一方で、NPUは5 TOPsを維持しており、INT4/INT8/INT16/FP16/BF16/TF32に対応しています。これはRK3588系の特徴を引き継いでいる部分で、エッジAI推論には十分な性能です。

NPU・AI性能と競合比較

5 TOPsのNPUは、エッジAI用途では十分実用的な性能です。競合製品と比較してみましょう。

製品NPU性能価格帯(参考)
ROCK 5C Lite(RK3582)5 TOPS3030〜105
Raspberry Pi 5NPUなし(別途AI HATで13 TOPS追加可)6060〜80
Orange Pi 5(RK3588S)6 TOPS7070〜150
ROCK 5C(RK3588S2)6 TOPS4545〜130

Raspberry Pi 5はNPUを内蔵しておらず、AI処理には別途AI HATが必要です。その点、ROCK 5C Liteは最安モデルでも5 TOPsのNPUが使えるのがうれしいポイント。YOLOv5やMobileNetなどの軽量モデルを動かすなら、この価格帯では魅力的な選択肢になります。

メモリとストレージ

メモリは1・2・4・8・16GBのLPDDR4x(64-bit)から選択できます。無印ROCK 5Cの最大32GBに対し、Liteは最大16GBまでですが、軽量用途には十分な容量ですね。価格差を考えると、4GB〜8GBあたりがバランスの良い選択になりそうです。

ストレージはeMMCコネクタとmicroSDスロットを備え、SPI Flashはありません。SPI Flashがないのは少し残念なポイントで、ブートローダーの配置に制約が出る場合があります。

OS導入は公式Docsの手順を参照してください。まずmicroSDで起動し、本運用でeMMCに移行する流れが組みやすい構成です。

拡張

無印ROCK 5Cと同様、オンボードM.2スロットはありません。PCIe 2.1 x1がFPC経由で取り出せるため、NVMeやアクセラレータはHATで拡張する設計です。帯域はPCIe 2.1 x1が上限なので、高速ストレージを期待しすぎると計画が崩れますね。

FPC経由で接続できるアクセサリとしては、NVMe SSD、Penta SATA HAT、2.5GbE拡張などが公式で案内されています。NASやルーターとして使いたい方には、Dual 2.5G Router HATなんかも面白い選択肢です。

GPIOは40ピンヘッダが用意されており、UART×5、SPI×3、I2C×6、PWM×7など豊富なインターフェースに対応しています。ピン配列・電圧の詳細は公式Docsで確認してください。

ネットワーク

有線はGigabit Ethernet、PoEはHAT拡張で対応可能です。Radxa 25W PoE+ HATを使えば、電源ケーブルを別途引く必要がなくなるのがうれしいポイントですね。

無線はWi-Fi 6(802.11ax)+Bluetooth 5.4を内蔵しており、外部アンテナ端子もあります。無線前提の常設用途でも筐体内アンテナ配置の自由度を確保できます。IoTゲートウェイやホームオートメーションのハブとして使うなら、この無線環境は十分でしょう。

電源・熱設計

電源はUSB-C 5V 3AまたはPoE(HAT拡張)。USB-Cは固定5Vなので、PD対応の高電圧アダプタを使っても5Vで給電されます。PCIe拡張やUSB3を活用する場合は25W以上のアダプタがおすすめです。

公式Docsで放熱部材(Radiator)の案内があり、ヒートシンク等の追加放熱は必要になりやすい構成です。Radxa Heatsink 6540Bが専用設計で用意されているので、高負荷で使う予定なら一緒に購入しておくと安心ですね。

動作温度は0°C〜50°Cとされています。夏場の屋内設置や密閉筐体での運用では、温度監視を入れておくことをおすすめします。

外観

ROCK 5C Lite 基板全景

基板上面・下面・ポート側が確認できる公式画像(Radxa Docs)

基板サイズは86×56mmで、無印ROCK 5Cと同じフットプリント。SoC違いによる部品配置の差はありますが、筐体設計はほぼ流用可能でしょう。Radxa Metal Case for ROCK 5Cもそのまま使えるようです。

USBポートは2.0が2基、3.0が2基(うち1基はOTG対応)という構成。映像出力はHDMI 2.1が1ポートとMIPI DSIで、デュアルディスプレイにも対応しています。

まとめ

ROCK 5C Liteは、ROCK 5Cのコスト抑制版として位置づけられる軽量SBCです。A76コアが4→2に半減しており、マルチスレッド性能では無印に劣りますが、約30ドルから買えて5 TOPsのNPU搭載という点は見逃せません。

ただしGPU欄「N/A」表記は要注意。映像処理・デスクトップUI・動画デコードを重視する場合は、購入前に動作確認情報を探すか、無印ROCK 5Cを選ぶほうが安全です。

5 TOPsのNPUを活かしたエッジAI推論や、Wi-Fi 6+BT 5.4でのセンサー集約を行うIoTゲートウェイ、あるいはHome Assistantなどのホームオートメーションサーバーとして使うには最適な一台です。また、Penta SATA HATなどと組み合わせて軽量NASやルーターを構築する用途にも向いています。

一方で、GPU欄が『N/A』となっているため、デスクトップ用途や動画再生など、映像周りの処理性能を重視する人には不向きです。ディスプレイ出力をメインに考えている場合は、無印ROCK 5CなどGPU仕様が明確なモデルを選ぶのが無難でしょう。

価格表

構成価格(参考)
1GB LPDDR4x約$30
2GB LPDDR4x約$35
4GB LPDDR4x約$45
8GB LPDDR4x約$65
16GB LPDDR4x約$105

※価格は販売店・為替により変動します。購入はRadxa公式のDistributors一覧経由で案内されています。

関連リンク