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USB-C一本で始める超小型SBC「BeagleBoard PocketBeagle 2」

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USB-C一本で始める超小型SBC「BeagleBoard PocketBeagle 2」

2025年2月、BeagleBoard.orgから超小型SBC「PocketBeagle 2」が登場しました。Texas Instruments AM6254(クアッドCortex-A53、最大1.4GHz)を55×35mm・約12.7gのボードに搭載し、USB-C一本でPCに接続するだけで開発を始められます。

2025年2月3日、BeagleBoard.orgの公式ブログでPocketBeagle 2のローンチと購入可能である旨がアナウンスされました。Texas Instruments AM6254(クアッドCortex-A53、最大1.4GHz)を搭載した超小型SBCで、microSDカードにOSを書き込み、USB-CでPCに接続するだけで開発を始められるのが特徴です。

55×35mm・約12.7gというクレジットカードより一回り小さいサイズ感ながら、72ピンの拡張ヘッダ(P1/P2)を備え、PocketBeagle classicとの互換性も意識されています。初代の32ビットCortex-A8から64ビットクアッドCortex-A53へと世代が進み、Cortex-M4FやPRU(Programmable Real-time Unit)も内蔵するなど、小さなボディに産業向け機能が詰まっているんですよね。

一方で、映像出力やオンボードのWi-Fi・有線LANは搭載されていないため、I/Oは拡張で作る前提で検討するのが無難です。$35という価格帯で「まずは触ってみる」入門機としても、拡張前提の組み込みコアとしても使える一枚です。

目次

スペック

BeagleBoard PocketBeagle 2
■ BeagleBoard PocketBeagle 2
プロセッサTexas Instruments AM6254(クアッドCortex-A53、最大1.4GHz)
コプロセッサCortex-M4F(最大400MHz)、デュアルコアPRU(最大333MHz)
GPUPowerVR 3D GPU(Rev A1のみ搭載)
メモリ512MB LPDDR4 3200MHz(Kingston D2516AN9EXGXN-TU)
ストレージmicroSD(1.8/3.3V対応)
eMMC未実装(フットプリントはあり)
ネットワークUSBテザリング(USBデバイスとして認識、SSH等でアクセス)
主要I/OUSB Type-C、UARTデバッグ(JST-SH 1.00mm 3ピン、Raspberry Pi Debug Probe互換)
拡張72ピン拡張ヘッダ(P1/P2)、8ch ADC、52デジタルI/O
電源5V@1A(USB-CまたはVIN)、LiPoバッテリー充電対応
PMICTPS6521903
MCUMSPM0L1105(ADC・EEPROM機能提供)
OSDebian(公式イメージあり、bb-imager対応)
サイズ・重量55×35mm・約12.7g
付属品本体、Instruction card

**USB-C一本で電源供給と接続が完結する超小型SBC。**microSD運用が基本で、机上でサクッと開発を始められる手軽さが魅力ですね。LiPoバッテリー充電機能も標準搭載で、ポータブル用途にもうれしいポイントです。

特徴

SoC・CPU

PocketBeagle 2は、Texas InstrumentsのAM6254を搭載しています。AM62xファミリーは「Human-machine-interaction SoC」として位置づけられており、HMI(ヒューマンマシンインターフェース)やIoTゲートウェイ、産業制御向けに設計されたプロセッサです。

CPUコア構成は、64ビットのクアッドCortex-A53で最大1.4GHz動作。各コアは32KBのL1データキャッシュと32KBのL1命令キャッシュを持ち、4コアで512KBのL2共有キャッシュを搭載しています。初代PocketBeagle(AM3358、シングルCortex-A8@1GHz)からは大幅に世代が進んでおり、マルチコア性能と64ビット対応で処理能力は段違いです。

**うれしいのがコプロセッサの充実度。**Cortex-M4Fが最大400MHzで動作し、256KBのSRAMを持っています。さらにデュアルコアのPRU(Programmable Real-time Unit)が最大333MHzで動作するため、リアルタイム制御やカスタムプロトコル実装といった組み込み用途に強いんですよね。AM3358でもPRUは好評でしたが、AM6254ではCortex-M4Fも追加されてさらにパワーアップしています。

GPUについては、Rev A1でPowerVR 3D GPUを搭載。ただしPocketBeagle 2自体には映像出力端子がないため、GPUの恩恵を受けるにはCapeなどでディスプレイ出力を追加する必要があります。

リビジョンには注意が必要で、現行のRev A1はAM6254(クアッドA53、GPU搭載)、初期のRev A0はAM6232(デュアルA53、GPUなし)という違いがあります。購入時にはRev A1を選ぶのが無難ですね。公式アナウンスでも「Rev A1は追加費用なしでアップグレード」と明記されています。

競合との比較

同じAM62xファミリーを搭載したBeagleBoard製品として、BeaglePlay99)があります。BeaglePlayWiFi6/BLEGbEHDMI出力をオンボードで備えており、箱出しで使える完成度が高い一枚。一方、PocketBeagle299)があります。BeaglePlayはWi-Fi 6/BLE、GbE、HDMI出力をオンボードで備えており、箱出しで使える完成度が高い一枚。一方、PocketBeagle 2は35と約1/3の価格で、I/Oを自分で構成したい人や、超小型が必須な組み込み用途に向いています。

項目PocketBeagle 2BeaglePlayPocketBeagle classic
SoCAM6254(クアッドA53)AM6254(クアッドA53)AM3358(シングルA8)
メモリ512MB2GB512MB
Wi-FiなしWi-Fi 6 + BLEなし
有線LANなしGbEなし
映像出力なしHDMIなし
サイズ55×35mm80×80mm55×35mm
価格$35$99$25

**「小さく安く始めて、必要なI/Oは拡張で足す」**という設計思想が明確なので、用途に合わせて選ぶのがポイントです。

メモリとストレージ

メモリは512MB LPDDR4 3200MHz(Kingston製)で、軽量なLinuxディストリビューションを動かす分には十分ですが、リッチなGUIアプリケーションを動かすには心もとない容量です。BeaglePlayの2GBと比べると1/4なので、用途に応じた検討が必要ですね。

ストレージはmicroSDが基本で、eMMCはフットプリント(実装用のパッド)はあるものの、標準では未実装です。OSイメージの書き込みはbb-imagerツールを使った公式手順が用意されており、初心者でも迷わず始められます。

USBテザリング開発

PocketBeagle 2の最大の特徴は、USB-C一本でPCに接続するだけで開発を始められる点です。PCからはUSBデバイスとして認識され、SSH(例:192.168.7.2)で直接アクセスできます。

電源もUSB-Cから5V@1Aで供給できるため、開発用の電源アダプタを別途用意する必要がありません。もちろん、拡張ヘッダのVINから給電することも可能です。「PCにつなぐだけ」で即開発できるこの手軽さは、初学者にも刺さるポイントですね。

UARTデバッグポートはJST-SH 1.00mmピッチの3ピンコネクタで、Raspberry Pi Debug Probe互換と明記されています。手持ちのProbeがあればそのまま使えるのはうれしいところ。

拡張性

72ピンの拡張ヘッダ(P1/P2)を備え、PocketBeagle classicとの互換性を意識した設計になっています。8チャンネルのアナログ入力、52のデジタルI/O、そして各種デジタルインターフェースが引き出されており、Cape(拡張ボード)を組み合わせることで用途に応じたI/Oを追加できます。

アナログ入力については、ボード上に搭載されたMSPM0L1105(Cortex-M0+ MCU)がADC機能を提供しています。12ビットADCで、センサー読み取りなどに活用できますね。

電源パスはVIN_5V・USB_5V・VBATの3系統が用意されており、LiPoバッテリー充電機能も標準搭載。バッテリー駆動のポータブルプロジェクトも視野に入れた設計意図が読み取れます。充電状態を示すLEDインジケータもあるので、運用時の確認も容易です。

I/O保護に関する注意書きは強めで、「電源未供給時にI/Oへ電圧を印加しない」ことが公式ドキュメントに明記されています。破損・保証対象外につながるため、この点は最初に確認しておくべきポイントです。

ネットワーク

有線LAN・Wi-Fi・Bluetoothのオンボード搭載はなし。ネットワーク接続が必要な場合は、Capeやアダプタでの拡張が前提になります。開発時はUSBテザリングでSSH接続できるので、まずはそれで十分という使い方が多いでしょう。

外観

基板上面:USB-Cポート、AM6254 SoC、メモリ、ボタン類の配置

基板上面を見ると、USB-Cポートが電源・接続の中心に位置していることがわかります。UARTデバッグ用のJST-SHコネクタ(1.00mmピッチ 3ピン)も上面側に配置されており、初動で触る要素がコンパクトにまとまっています。電源ボタン、ユーザーボタン、4つのユーザーLED、電源LED、充電LEDも上面に配置されているので、状態確認がしやすい設計ですね。

基板下面:ケース収容時は裏面のパッド位置に注意

基板下面は比較的シンプルで、ケースに収容する際のクリアランス確認に役立ちます。TAG-CONNECTフットプリント(10ピンJTAG)も確認できます。

USB-Cポートが接続・電源の中心

まとめ

PocketBeagle 2は、「超小型」と「USB-C一本で立ち上げやすい」開発体験に振り切ったSBCです。microSD運用とUSBテザリングが公式の基本導線なので、机上開発の初動が軽いのが魅力ですね。

小型SBCで組み込み開発や学習を始めたい方、あるいはPocketBeagle classicからのステップアップを検討している方には最適な選択肢です。USB-C一本で手軽に環境構築ができる点や、PRU/Cortex-M4Fを活用したリアルタイム処理実験にも向いています。バッテリー駆動のポータブルプロジェクトにも適していますね。

逆に、映像出力やWi-Fi機能がオンボードで必須な方には、BeaglePlayなどのオールインワン型をおすすめします。また、512MB以上のメモリが必要な用途や、I/O拡張なしで完結させたい場合も、本機のコンセプトとは合いません。

映像出力やオンボードLAN・Wi-Fiがない点は、「I/Oは拡張で作る」前提の設計意図として理解しておくのがポイント。コネクタが少ない小型SBCほど配線と電源で事故りがちなので、公式Docsの警告(電源未供給時のI/O印加禁止)は最初に読んでおくべきポイントです。

販売元価格(税別・参考)
Mouser$35.00
Digi-Key$35.00
Farnell£28.02(約$35相当)

※価格は2025年2月時点の参考値です。最新価格・在庫は各販売サイトでご確認ください。

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