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LattePanda IOTA:Intel N150×RP2040搭載の工作向き小型PC

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LattePanda IOTA:Intel N150×RP2040搭載の工作向き小型PC

LattePandaはLattePanda IOTAを発売しました。Intel N150とRP2040を搭載し、手のひらサイズの88×70mmでWindowsやLinuxとリアルタイム制御を両立できる組み込み寄りのSBCです。PD 15V電源と冷却必須という条件はありますが、PCIe拡張やM.2 E Keyで後から育てる設計が光ります。

LattePandaはLattePanda IOTAを発売しました。公式ページおよびDFRobotなど正規販売店に製品情報が掲載されています。

本機はIntel N150(x86/4コア)とRP2040(マイコン)を搭載し、手のひらサイズの88×70mmでWindows/Linuxとリアルタイム制御を両立できる組み込み寄りのSBCです。 LattePanda V1の後継として位置づけられ、同サイズながらCPU性能は約8倍に向上しています。

PD 15V電源と冷却必須という条件はありますが、PCIe拡張やM.2 E Keyで「後から育てる」設計が光りますね。一方で「とにかく楽に動く」「給電は何でもOK」というラフな運用には向きません。

目次

スペック

■ LattePanda IOTA
CPUIntel Processor N150(4C/4T、最大3.60GHz、Base Power 6W)
GPUIntel Graphics(24EU、最大1GHz)
マイコンRP2040(リアルタイムI/O制御用)
メモリ8GB/16GB LPDDR5 4800MT/s(In-band ECC)
ストレージeMMC 64GB/128GB、microSD(TF)スロット
拡張性M.2 E Key 2230(PCIe/CNVio)、PCIe 3.0 x1(16-pin FPC)
ネットワーク1GbE(WOL対応)、Wi-Fi/BTはM.2 2230モジュールで任意追加
映像出力HDMI 2.1(最大4096×2160@60Hz)、eDP 1.4b 2-Lane(最大1920×1080@60Hz)
USBUSB 3.2 Gen2 Type-A 3ポート(10Gbps)
GPIO36-pin GPIO(RP2040経由)
電源USB-C PD 15V(入力専用)、PH2.0 10〜15V、安定動作に24W以上推奨
対応OSWindows 10/11、Ubuntu(Win11 IoT Enterprise 2024ライセンス付きSKUあり)
サイズ88×70×19mm
付属品本体、CR2032、マニュアル

Intel N150(x86)+RP2040を、88×70mmの手のひらサイズに詰め込んだ組み込み寄りのSBCです。 Geekbench 6のマルチコアスコアで2820(15W TDP時)を記録し、Raspberry Pi 5の約1.8倍の性能を発揮します。 USB-Cが入力専用(PD 15V)という割り切りと、初回から冷却必須という条件を踏まえたうえで選びたい製品ですね。

特徴

SoC・CPU

LattePanda IOTAの主役は、Intel N150(x86)とRP2040(マイコン)の二段構えです。N150は4コア/4スレッド・最大3.60GHz、Base Power 6Wで、TDP目安は6〜15Wの範囲で調整可能な設計です。N150は「Intel Twin Lake」世代のプロセッサで、Alder Lake-N(N100など)の後継にあたります。

LattePanda IOTA 正面
参考:LattePanda 公式製品ページ

ベンチマークで見る実力

公式が掲載しているGeekbench 6スコア(15W TDP設定時)を見てみると:

機種シングルコアマルチコア
LattePanda IOTA(N150)11932820
Raspberry Pi 57501550
Intel Celeron N51055001500
LattePanda V1(Atom x5-Z8350)135372

前世代のLattePanda V1と比較すると約8倍、Raspberry Pi 5と比較しても約1.8倍のマルチスレッド性能です。これはなかなか強力ですね。

x86の土俵に乗せられる強み

Raspberry Pi系の「Linux前提ボード」とは違って、Windows/Linuxの資産をそのまま使える「x86の土俵」に乗せやすいのが強みです。監視・計測でWindowsアプリをそのまま動かしたい、産業用ソフトとの互換を保ちたい、といったケースに刺さります。

RP2040でリアルタイムI/Oを分離

そしてRP2040が効いてくるのは、センサー読み取りやモーター制御など「リアルタイム寄りのI/O」を分離したいとき。x86側でUIや推論を回しつつ、RP2040側でI/Oをハンドリングする構成が描けます。N150とRP2040の通信はシリアルポート経由で、安定した連携が可能です。

RP2040はArm Cortex-M0+のデュアルコアで、MicroPython・Arduino C++・Firmataでプログラミングできます。TinyML的な軽量推論をRP2040側で処理し、重い処理はN150側に任せる、といった役割分担も現実的です。

**これは「万能に速いPC」というより、小型・低消費電力のx86を組み込みに落とし込むための道具です。**期待値をそこに合わせると、かなり刺さりますね。

メモリとストレージ

メモリはLPDDR5(8GB/16GB)で、IBECC(In-Band ECC)対応が地味にうれしいポイントです。産業用途でメモリエラーによる不具合を減らせます。SKUとして容量が分かれており、いわゆるノートPCのようなSO-DIMMスロットはなく、ユーザー増設を前提にした記載もありません。まずは用途に合わせて8GB/16GBを選ぶのが基本戦略です。

ストレージもeMMC 5.1(64/128GB)で、こちらもSKU選びが重要。とはいえ、microSD(TF)スロットがあり、ブートやOSインストールにも言及があります。「OSはeMMC、ログやデータはmicroSD・外付けSSD」など、組み込み的な割り切りがしやすい構成ですね。

さらに「伸びしろ」として、PCIe 3.0 x1のFPC(フレキ)コネクタが用意されています。これをM.2 M-Keyに変換する拡張ボードで、NVMe SSDやAIアクセラレータをぶら下げる想定が公式に案内されています。

LattePanda IOTA PCIe FPC拡張
参考:LattePanda 公式製品ページ

たとえば監視・計測ならOSはeMMC、データはNVMe(拡張)へ連続保存、停電対策にUPS拡張も検討。ロボットならN150側で推論やUI、RP2040側でモーター・センサー制御。小型端末ならeDPパネル+タッチでHMI、ネットワークはGbE・Wi-Fiモジュールで選択。この辺りが現実的なユースケースになります。

外観

LattePanda IOTA 端子面
参考:LattePanda 公式製品ページ

USB-Aが3基(10Gbps想定)、HDMI、GbE、microSD、3.5mm、そして電源入力専用のUSB-Cが一望できます。ボード上には「PCIe FPC」「M.2 E Key」など拡張の入口が描かれていて、後から育てる前提の設計なのが分かりやすいです。

反面、端子が密集しているので、ケーブルの太さ(特にHDMIやLAN)で取り回しが窮屈になりやすい点は注意です。

LattePanda IOTA 背面(CPU面)
参考:LattePanda 公式製品ページ

背面側にCPU周辺がまとまっていて、ファンコネクタ等もこの面に見えます。拡張ボードを上面に重ねたいとき、CPU面を冷却側に回せるのは理にかなっていますね。ただし「冷却必須」前提なので、ケース選びは放熱設計まで込みで検討するのが無難です。

その他

電源(最重要ポイント)

ここが本製品で一番重要なポイントです。USB-Cは「PD 15V入力専用(Power Input Only)」で、最低でも15V/1.8A、かつ安定動作には24W以上を推奨、という割とガチめな条件が明記されています。

適当なUSB-Cケーブル・アダプタだとハマるので、最初からPD対応の15Vが出るものを選びたいですね。あるいはPH2.0-4Pinで10〜15V入力も可能なので、産業用電源からの給電も視野に入ります。

冷却(必須)

初回セットアップの段階で「Cooling Fan or Heatsink(必須)」と書かれています。DFRobot側でも「ヒートシンクを先に付けるべき」という注意があり、ここを軽視すると性能以前に安定性を落とします。公式のアルミヒートシンク+ファンキット(12)や、アルミヒートシンクケース(12)や、アルミヒートシンクケース(29.90)が用意されているので、本体と一緒に揃えておくのがおすすめです。

ネットワーク

ネットワークは1GbEが標準で、WOL(Wake-on-LAN)対応。遠隔地設置やヘッドレス運用と相性が良いです。Wi-Fi・BTはM.2 E Key 2230で任意のモジュールを増設する形式で、Intel BE200(Wi-Fi 7)などが公式アクセサリとして用意されています。

AI・NPU性能

Intel N150には専用NPUは搭載されていません。Raspberry Pi 5もNPUを内蔵していないので、この点では同条件です。

ただし、IOTAには以下の拡張オプションがあります:

  • M.2 M-Key拡張ボード経由でAIアクセラレータカード(YOLOアクセラレータ、LLMカードなど)を追加可能
  • RP2040側でTinyML的な軽量推論を処理する分散構成

公式では「YOLO accelerator cards for AI vision tasks and LLM cards for AI inference」と案内されており、エッジAI用途を視野に入れた拡張設計がなされています。単体でのAI処理は限定的ですが、拡張ボードを足せばエッジAI・マシンビジョン向けプラットフォームとして育てられる、というのがコンセプトですね。

拡張ボード

公式の拡張ボードラインナップが充実しているのもうれしいポイントです:

  • UPS拡張ボード:18650バッテリーで最大8時間稼働、安全シャットダウン対応
  • 51W PoE拡張ボード:IEEE 802.3bt準拠、LANケーブル1本で給電+通信
  • M.2 M-Key拡張ボード:NVMe SSDやAIアクセラレータを接続
  • 4G LTE拡張ボード:セルラー通信対応(モジュールは別売)

DIPスイッチでオートパワーオン等の挙動を切り替える説明もあり、「筐体に入れて常時運用」まで視野に入っています。

まとめ

LattePanda IOTAは、「小型のx86(Intel N150)」と「リアルタイムI/OのRP2040」を一枚にまとめ、さらにPCIe(FPC)やM.2 E Keyで後から拡張できる、かなり組み込み寄りのSBCです。

Windows/Linuxのx86資産を使いつつ、ロボットのセンサー・制御も同居させたい人や、産業用ゲートウェイ・HMI端末を作りたい人には最適なボードです。また、拡張ボードを併用してエッジAIやマシンビジョンに取り組みたい人や、LattePanda V1からの移行を考えている人にも刺さるでしょう。

一方で、「給電は何でもOK」といったラフな運用を考えている人には、PD 15V要件や冷却必須の点がハードルになるかもしれません。また、Raspberry Piのような圧倒的なコミュニティサポートを期待する用途には、情報量の面で不向きです。

競合としてRaspberry Pi 5を意識するなら、IOTAは「コミュニティの広さ」より「x86の都合の良さ」で選ぶ製品です。Geekbench 6マルチコアで約1.8倍の性能差があり、Windowsアプリがそのまま動くのは大きなアドバンテージですね。

個人的には、USB-Cが入力専用という割り切りは良くも悪くも尖っていて、最初にハマりやすいポイントだと思います。とはいえ、そこさえ押さえれば「このサイズでここまで端子と拡張を詰めるのか」という面白さは強いです。

価格表

SKU構成価格(税別)
DFR12268GB RAM / 64GB eMMC(ライセンスなし)$129
DFR1226-ENT8GB RAM / 64GB eMMC + Win11 IoT Enterprise$199
DFR122716GB RAM / 128GB eMMC(ライセンスなし)$185
DFR1227-ENT16GB RAM / 128GB eMMC + Win11 IoT Enterprise$245

※ヒートシンクやWi-Fiモジュールは別売。アクセサリキット($35程度)を一緒に購入するのがおすすめです。

関連リンク