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youyeetoo R1:RK3588S搭載のカードサイズSBC【6TOPS NPU】

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youyeetoo R1:RK3588S搭載のカードサイズSBC【6TOPS NPU】

メーカーyouyeetooは「youyeetoo R1」を発売しました。100×69.3mmのカードサイズにRK3588S(8コア・最大2.4GHz)と6TOPS NPU、そしてM.2(NVMe/SATA)まで詰め込んだAIoT寄りSBCです。ただし、リビジョン(v3かどうか)でM.2サイズやUSB 3.0との同時利用制約が変わるため、購入前の確認が必須です。

RK3588S搭載SBCの選択肢が増えてきましたね。そのなかでもyouyeetoo R1は、カードサイズ(100×69.3mm)にM.2ストレージとHDMI-INまで詰め込んだ「全部盛り」志向の1台です。

6TOPS NPUを搭載しているので、エッジAIや映像処理を小型筐体でやりたい人には刺さる構成なんですよね。公式ストアで4GB〜32GBまでRAMを選べるのもうれしいポイントです。

ただし、リビジョンによる制約(v3以前はUSB 3.0とM.2の同時利用不可)があるので、購入前の確認は必須。今回はスペックから実際の使いどころまで、しっかり解説していきます。

目次

スペック

■ youyeetoo R1
CPURockchip RK3588S(8nm、8コア:Cortex-A76×4+Cortex-A55×4、最大2.4GHz)
GPUARM Mali-G610 MP4
NPU最大6TOPS(INT4/INT8/INT16対応)
メモリLPDDR4:4GB/8GB/16GB/32GB(構成選択)
ストレージeMMC(32/64/128/256GB選択)+microSD(TF)+M.2(NVMe/SATA)
無線LAN・BTM.2 E-Key(2230)でWi-Fi/BTモジュール拡張(例:RTL8822CE)
有線LANRJ45 GbE(10/100/1000Mbps)
映像出力HDMI 2.1(最大8K60Hz)、MIPI-DSI×2、MIPI-CSI×2
映像入力HDMI-IN(RK628D変換でCSI入力、最大4K60 YUV420)
USBUSB 3.0×1、USB 2.0×3
拡張M.2 M-Key(2242、v3は2280対応)、M.2 E-Key(2230)、30PIN拡張ヘッダ
GPIO30PIN(PH2.0mm):I2C×3、UART×3、CAN×1、PWM×1、ADC×2、GPIO×7
サイズ100×69.3mm(厚み23mm)
電源12V入力(DCジャック 5.5×2.1mm、12V/3A)または2ピン(2.54mm)
冷却ヒートシンク同梱(構成による)+5V 3ピン(1.25mm)ファン端子
対応OSAndroid/Debian/Ubuntu/OpenHarmony(公式配布・手順あり)

RK3588S+6TOPS NPU+HDMI 2.1(8K対応)を100mm四方のカードサイズに凝縮。エッジAI・映像処理のプロトタイピングに最適な1台です。

M.2でNVMe/SATAとWi-Fi/BTを両方拡張でき、さらにHDMI-IN相当の入力まで備えていますが、リビジョンによる差分(M.2サイズ、USB 3.0との同時利用制約)は購入前に確認が必要です。

特徴

SoC・CPU

RK3588Sは、Rockchipのフラッグシップ「RK3588」から一部I/O(PCIeレーン数やディスプレイ出力など)を削ぎ落としたSoC構成です。8nmプロセスで製造され、8コア構成(Cortex-A76×4+Cortex-A55×4、最大2.4GHz)を持っています。

**SoCの位置づけとしては「RK3588のコンパクト版」ですね。**フルスペックのRK3588がPCIe 3.0×4レーンやHDMI出力×2を持つのに対し、RK3588SはPCIe 2.0系に縮小・HDMI出力×1に制限されています。そのぶん消費電力が抑えられ、小型SBCに載せやすい設計になっているわけです。

GPUはMali-G610 MP4(Odin世代)を内蔵。OpenGL ES 3.2、Vulkan 1.2、OpenCL 2.2に対応しており、8K60Hzの映像出力が可能です。デスクトップ用途やメディアプレーヤーとしても十分な性能を持っています。

NPU・AI性能

NPUは最大6TOPS(INT8演算時)で、INT4/INT8/INT16の混合精度に対応しています。Rockchip公式のRKNNツールキットを使えば、TensorFlow/PyTorch/ONNXなどで学習したモデルをNPU向けに変換・デプロイできます。

競合SoCとの比較では、以下のような立ち位置になります:

SoCNPU性能特徴
RK3588S(本機)6TOPS8コア+Mali-G610、8K60対応
RK3588(フル版)6TOPSPCIe 3.0×4、HDMI×2
RK35766TOPS8コア、低消費電力版
Amlogic A311D24TOPS8K30対応、HDMI 2.1
MediaTek MT83954.8TOPSChromebook向け、Wi-Fi 6E内蔵

6TOPS級のNPUを持つSBCとしては、Orange Pi 5シリーズやRadxa ROCK 5シリーズが競合になります。youyeetoo R1の強みは「HDMI-IN」「M.2×2スロット」を同時に持っている点で、映像入力+AI処理+ストレージ拡張を1枚で完結させたい用途に向いています。

実運用では、RKNN Toolkitのモデル変換やドライバの対応状況がOSイメージに依存するため、公式Wiki(RKNNセクション)を確認するのがおすすめです。YOLOv5やMobileNetなどの推論デモが用意されていますよ。

youyeetoo R1 基板下面
参考:youyeetoo 公式ストア

M.2とリビジョン差分

M.2は2スロット構成で、上面にM.2 E-Key(2230、Wi-Fi/BT用)、下面にM.2 M-Key(2242、NVMe/SATA用)があります。ここで注意したいのがリビジョン差分です。

公式ストアでは「v3から2280サイズに対応」との記載があり、さらに「v3以前はUSB 3.0とM.2 M-Key(2242)を同時に使えない(ピン共有)」旨が明記されています。NVMeをストレージの主役に据えるつもりなら、USB 3.0の使い方(Host/Deviceや同時利用)まで含めて設計を組む必要があります。

v3では以下の改善が入っています:

  • M.2 M-Keyが2280サイズに対応(大容量SSD搭載可能)
  • USB 3.0とM.2の同時利用制約が解消
  • DIPスイッチでUSB 3.0のHost/Device切替が可能

PCIeはM.2(M-Key)側でPCIe 2.0(Gen2)系の記載があります。NVMe SSDを選ぶ際はGen2リンク前提でスペックを見積もるのが現実的ですね。Gen3/Gen4対応SSDでも動作しますが、速度は500MB/s程度に制限されます。

メモリとストレージ

メモリはLPDDR4で4GB/8GB/16GB/32GBから構成を選択できます。eMMCも32/64/128/256GBから選べるため、用途に応じて容量を固定できるのがうれしいポイントですね。

ブート媒体は公式一次情報で「microSD(TF)へ書き込み」「eMMCへ書き込み」の2本が明示されており、まずはTFで起動確認→eMMC展開、という流れが取りやすい構成です。公式手順ページ内にOfficial Download/Google Downloadのリンクが記載されているため、配布元・版数は変わるものの導線は整備されています。

**おすすめの構成としては、8GB RAM+64GB eMMCあたりがバランス良いです。**エッジAI用途で複数のモデルを同時に動かすなら16GB以上を検討してください。

GPIO

GPIOはRaspberry Pi互換40ピンではなく、30PIN拡張ヘッダ(PH2.0mm)です。I2C×3、UART×3、CAN×1、PWM×1、ADC×2、GPIO×7などの記載があります。

電圧に関する注意点として、GPIOはデフォルト3.3Vで、1.8V対応はBIOS設定変更が必要との記載があります。外部回路と直結する前にここは必ず確認してください。

Raspberry Pi用のHATをそのまま使いたい人には向きませんが、30PINヘッダで独自のI/O設計ができる人には十分な拡張性があります。CANバスが出ているのは産業用途でうれしいポイントですね。

外観

youyeetoo R1 基板上面
参考:youyeetoo 公式ストア

外観は100×69.3mm(厚み23mm)のカードサイズで、HDMI、USB-A群、RJ45、DCジャックが一辺側にまとまっています。配線の取り回しは素直な設計ですね。

youyeetoo R1 ポート面
参考:youyeetoo 公式ストア

厚み23mmの記載があり、積層や薄型筐体に入れる場合は端子高さと干渉確認が必要です。コネクタ配置はリビジョン(v3等)で差分があり得るため、購入ページの注意書きも併読してください。

別売りでアクリルケース(約875円)やメタルケース(約2,220円)も用意されています。特にメタルケースはヒートシンク一体型になっており、ファンレス運用を狙う場合におすすめです。

その他

ネットワーク

有線はGbE(RJ45)で、エッジ機器や小型サーバ、ゲートウェイ用途の土台になります。2.5GbEではないので、高速なデータ転送が必要な場合はNVMe経由でのローカル処理がメインになりますね。

無線はオンボード固定ではなくM.2(E-Key)での拡張が軸のため、調達性(モジュール在庫)と認証要件をセットで見積もるのが堅実です。RTL8822CEなどのWi-Fi 5/BT 4.2モジュールが動作実績として挙げられています。

4G LTEはM.2(M-Key)側の拡張として記載がありますが、要アダプタとなっています。IoTゲートウェイ用途で検討する場合は、公式ストアで対応アダプタも確認しておくといいですよ。

映像

映像出力はHDMI 2.1(最大8K60Hz)に加え、MIPI DSI×2、MIPI CSI×2を持っています。さらにHDMI-IN(RK628D変換経由でCSI側へ入力、最大4K60 YUV420)の記載もあります。

組み込み用途で「カメラ+表示」をまとめたい場合に刺さる構成ですね。HDMI-INがあるので、ゲームキャプチャやKVMスイッチ的な使い方も考えられます。周辺(FPC、変換基板、ドライバ)の整合は公式情報に沿って段階的に詰めるのが安全です。

電源・冷却

電源は12V入力が前提(DCジャック 5.5×2.1mm、12V/3A。または2ピン 2.54mmピッチ)。USB-C給電には対応していないため、配線・電源容量は先に固定しておくのが安全です。Standard Kit以上を選ぶと12V電源アダプタが付属します。

冷却はヒートシンク同梱の購入構成があり、5V 3ピン(1.25mm)ファン端子で速度調整も可能です。RK3588Sは高負荷時にそこそこ発熱するので、筐体や設置密度が高い用途では、ヒートシンク+ファン前提で熱設計を組むのが現実的ですね。

OS

公式ではAndroid 13/Debian 11/Ubuntu 22.04/OpenHarmonyなどのOS配布と手順ページが用意されています。カーネルは5.10系がベースです。配布元・版数は変わるため、運用前に最終更新とOS/カーネル/ドライバの整合を確認してください。

サードパーティとしてArmbianも「Community maintained」として配布されていますが、起動媒体やeMMC消去等の注意点が明記されています。評価は段階的に行うのが安全ですよ。

まとめ

youyeetoo R1は、カードサイズ(100×69.3mm)にRK3588S+6TOPS NPU、M.2(NVMe/SATA)やHDMI-IN相当まで詰め込んだAIoT寄りSBCです。

M.2(NVMe/SATA)をストレージ拡張の主役に据えたエッジAI・映像処理用途には、非常に刺さる構成です。また、HDMI-INを使った映像キャプチャやKVM的な用途を検討している人にとっても、他にはない魅力的な選択肢となるでしょう。公式Wikiが充実している点も安心材料です。

逆に、Raspberry Pi互換の40ピンGPIOを期待している人や、USB-C給電で手軽に使いたい人には向きません。また、v3以前のリビジョンにおけるUSB 3.0とNVMeの排他制約は、設計時の落とし穴になりやすいので注意が必要です。

個人的には、M.2(NVMe/SATA)を「ストレージ拡張の主役」に据えられるのが魅力です。そのぶん、USB 3.0との同時利用制約に当たると設計が崩れるので、まずv3前提で選ぶのがおすすめです(購入時に要確認)。

公式ストアでRAM/eMMC容量やキット(ケース等)を選択して購入する形式のため、価格・在庫は変動します。

構成価格(税込・参考)
4GB RAM+32GB eMMC(Basic Kit)約15,759円
8GB RAM+64GB eMMC(Basic Kit)約18,942円
16GB RAM+128GB eMMC(Basic Kit)約26,000円前後
32GB RAM+256GB eMMC(Basic Kit)約35,000円前後
アクリルケース(別売)約875円
メタルケース(別売)約2,220円

※価格は公式ストア(JPY表示)参照。為替・在庫状況により変動します。

関連リンク