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FriendlyELEC NanoPC-T6 Plus:RK3588搭載でNVMe・HDMI入力・2.5GbE×2の「全部入り」SBC

FriendlyELEC NanoPC-T6 Plus:RK3588搭載でNVMe・HDMI入力・2.5GbE×2の「全部入り」SBC

2026年01月29日、FriendlyELECはPCIe 3.0 x4接続のNVMeスロットやHDMI 2.1入力、デュアル2.5GbEを備えたRK3588搭載SBC「NanoPC-T6 Plus」を発売しました。

2026年01月29日、FriendlyELECからRockchip RK3588を採用した新SBC「NanoPC-T6 Plus」が登場しました。価格は199ドル(16GB RAM/64GB eMMC版)からです。

PCIe 3.0 x4接続のM.2 NVMeスロットやHDMI 2.1入力、デュアル2.5GbEを搭載し、ルーターやNAS、メディアサーバーからエッジAIまで幅広くこなせる構成です。

「NVMeで高速ストレージを扱いたい」「HDMI入力で映像を取り込みたい」といったニッチな要望にも応える、SBCとしてはかなり欲張りな仕様になっています。

目次

スペック

| ■ プロセッサ | | | --- | --- | | SoC | Rockchip RK3588(8nm) | | CPU | 4× Cortex-A76 + 4× Cortex-A55 | | GPU | Mali-G610 MP4 | | NPU | 最大 6 TOPS | | ■ メモリ・ストレージ | | | メモリ | LPDDR5(8/16/32GB) | | ストレージ | eMMC(32/64/128GB) | | | microSDスロット | | | M.2 M-Key(PCIe 3.0 x4) | | ■ インターフェース | | | ネットワーク | 2.5GbE × 2 | | | M.2 E-Key(Wi-Fi/BTモジュール用) | | 映像出力 | HDMI 2.1 × 2(最大8K@60) | | | USB-C(DP Alt Mode対応) | | 映像入力 | HDMI 2.1 × 1(最大4K@60) | | USB | USB 3.0 × 2(Type-A) | | | USB 2.0 × 1(Type-A) | | | USB-C × 2 | | 拡張 | 40pin GPIO | | | M.2 B-Key(4G LTE用) | | ■ その他 | | | 電源 | DC 12V(5.5×2.1mm) | | サイズ | 110 × 82.5 mm |

RK3588のパワーをPCIe 3.0 x4の高速NVMeとHDMI入力で活かしきる、110×82.5mmの「全部入り」SBCです。

特徴

SoC・CPUとISP

NanoPC-T6 Plusの核はRockchip RK3588です。8nmプロセスで、Cortex-A76×4(高性能)とCortex-A55×4(省電力)の8コア構成です。 イメージとしては「本気で走るコア」と「巡航するコア」を負荷に応じて使い分けるタイプで、SBCでも並列処理やコンテナ多重運用に向きやすい構成です。

GPUはMali-G610 MP4を採用しています。ディスプレイを映すだけでなく、GUIが重いデスクトップ環境や、動画周りのアクセラレーションとセットで効いてきます。 Geekbench 6等のスコア例を見ても、Raspberry Pi 4世代などからの乗り換えであれば体感で「余裕」を感じられる差になりやすい性能です。

NanoPC-T6 Plus TOP View

参考:基板上面(FriendlyELEC)

NPU・AI性能

RK3588はNPU(内蔵AIアクセラレータ)を持ち、データシート上は最大6 TOPS相当の演算性能が示されています。 TOPSはあくまで理論値ですが、物体検出のような推論処理をCPUだけで行うよりも現実的な速度で動作させやすくなります。

公式WikiにはRKNN SDKの導入やYOLOv5デモ、Python向けRKNN Toolkit Lite2の導入例まで情報がまとまっています。RKLLM(大規模言語モデル向け)への言及や対応モデルへのリンクもあり、動かし方が一応示されているのは助かるポイントです。

競合製品ではRaspberry Pi 5にHailo-8L(13TOPS)を追加する構成や、Orange Pi AIシリーズなどがありますが、本製品は「ボード単体でNPUとHDMI入力、高速ストレージがまとまっている」点が強みです。

メモリとストレージ

NanoPC-T6 Plusの大きな価値は、RK3588を載せただけでなく「高速I/Oをどこまで素直に出しているか」にあります。 特に M.2 M-KeyがPCIe 3.0 x4接続 で提供されている点は、SBC用途でもNASやキャッシュ、データベースのようなI/O寄りワークロードで効いてくるポイントです。

microSDだけに頼る運用だと速度や寿命が気になりがちですが、NVMeがフルスピード(PCIe 3.0 x4)で使えるなら「ストレージがボトルネックになる」ストレスはかなり減ります。 なお、NVMeからのブート可否については、今回の公式一次情報では明確に確認できていません(未確認です)。

ネットワーク・拡張性

ネットワークは 2.5GbEを2ポート 搭載しています。 たとえば「WANとLANを分けたソフトウェアルーター」や「2.5GbE NAS(片側を上流、片側をクライアント)」といった構成が組めます。ルーター用途だとOS側の対応確認が必要ですが、ハードウェアの構成としては非常に面白い素材です。

無線機能はオンボード固定ではなく、M.2 E-Keyのモジュール方式 です。 日本で利用する場合、気になる技適については一次情報から確認できません。ただ、モジュール方式なら国内調達で技適取得済みモジュールを選べる余地があるため、オンボードで技適なしの場合よりは救いがある設計と言えます。

外観

NanoPC-T6 Plus Ports Layout

参考:ポート配置(FriendlyELEC)

ポート配置を見ると、HDMI出力2系統に加え HDMI入力(HDMI IN) があるのが特徴的です。 映像入力を必要とするキャプチャ用途や、外部ソースを取り込んで処理するような「映像を扱う箱」を作りたい人には刺さる構成です。

NanoPC-T6 Plus Bottom View

参考:基板下面(FriendlyELEC)

基板下面には主要な実装のほか、固定穴なども確認できます。 NVMe SSDを取り付ける際は、ケースやスペーサーとの干渉を確認しておくと安心です。

その他

電源・熱

電源は DC 12V/2A(5.5×2.1mm) です。 注意点として、フルロード時は65W以上の電源を推奨 と明記されています。高負荷な処理をさせたり、NVMeやUSB機器を接続したりする場合、電源周りがボトルネックになりやすいため、余裕を持って容量の大きいACアダプタを用意するのが無難です。

熱に関しては5Vファン端子があり、動作温度は0〜70℃とされています。性能が高い分、冷却は必須と考えたほうが安全です。

拡張ヘッダ

40pinのGPIOヘッダを搭載していますが、I/O電圧は標準3.3V(1.8V切替可)で、5V非対応 という注意書きがあります。 5V系のセンサーやモジュールを直結すると破損する可能性があるため、レベル変換なしでの接続は避けるべきです。

まとめ

NanoPC-T6 Plusは、RK3588の性能を前提に「NVMe(PCIe 3.0 x4)」「2.5GbE×2」「HDMI 2.1 IN」まで載せてきた、かなり欲張りなSBCです。 NASやホームサーバー用途はもちろん、HDMI入力が必要な用途まで視野に入るのが個性です。

電源は65W推奨と要件がシビアですが、そこさえクリアできれば、非常に強力なエッジデバイスとして活躍しそうです。 199ドル(約3万円〜)という価格は安くはありませんが、このI/O構成が必要な人にとっては代えがたい選択肢になるでしょう。

販売元価格(参考)
公式ストア$199〜

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